また、中間会社が現地調査をしなければ、職人が直接お客様のところに行くことになります。さて、その時間、職人は仕事をしないことになります。さらに、交通費と時間を使って契約にならないこともあります。そんなリスクを背負いたくないから職人をしているのです。職人は仕事をしてなんぼなのです。
つまり、「中間会社を省き低価格を実現」という表現は、職人のグループの一人が中間会社の仕事を引き受けていると解釈すべきです。その人はお客様のところへ行っている間は、仕事をせず、営業をしているのです。その経費は当然単価に還元されます。
こう考えると、850〜950円/㎡が適正価格となります。それより安い場合はよほど仕事の取れない職人か、ゼネコンの下請(600円/㎡)がとれないほど仕事がいい加減ということになります。
職人はそもそもホームページ等作成しません。クロスや塗装は手に負担がかかり、仕事の後は手が震えてキーボードなど触れません。それでも顧客を掴もうとしているのは仕事がほしいからなのです。
中間会社を省くとありますが通常は工務店と称して仲間内で仕事をしているケースが多くあります。「中間会社を省き低価格を実現」するためには、その内の一人がパソコンでホームページを作り、仲間に仕事を流すブローカーにならなければ成立しません。
いかにも一人で作業をしていて中間マージンを省くかのように見えますが、都内で弊社の価格を割り込むような格安のクロス屋はいないはずです。何故ならば、それが適正価格であり、職人が別会社であろうと、同じ会社であろうと職人と営業コストはさほど変わらないからです。むしろ、職人が別会社である方が、コスト面では厳しくなり、無駄を省く努力がなされているはずです。
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